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[最も遠い銀河」白川 道

◆7月4日の朝日新聞を開くと、紙面3分の2を使った「最も遠い銀河」の大広告。「太陽がいっぱい」の野心と哀愁、「冬のソナタ」の宿命と一途な愛、「ベルサイユのばら」の献身と華麗なるストーリー展開・・・・・・。「最も遠い銀河」はこれら数々の名作を遥かにしのぐとてつもない小説の誕生!と銘打たれて世に出た。
冬ソナもベルばらも、一世を風靡したのでその存在は知っているが、特にはまらなかったのでイメージできない。ただ、「太陽がいっぱい」を引き合いに出されると、このトシの人間は、すご~い小説に違いないといやでも興味をそそられる。
 実は作家本人はこの広告は不本意だったようだ。多分そうであろうと推測した出版社側が本人に内緒で出した広告。「幻冬舎創立15周年記念特別作品」にふさわしい宣伝だ。

◆高校時代の仲良しグループの一人で、今もつきあいが続いている著者白川道(ペンネーム)に今年会ったのは、一月半ば。その時は、最後をどうするかで今ペンが止まっているけれど、それでも3月末には出せるだろうということだった。結局出版は7月1日になったが、なるほど8年ぶりの作品は、400字詰め原稿用紙2,510枚の「大作」となった。

◆これまでも彼の作品のほとんどを読んできたが、どの作品にも共通するのは、作家が理想とする魅力的な男性が主人公として登場すること。生い立ちは必ずしも恵まれていないが、頭がよく、才能に溢れ、仕事ができるうえに、美形。だから複数の美しい女性にもてる(もて過ぎる)。
この作品の主人公も同じ。作家本人がその主人公に憧れていることがよくわかる。作家を知っていて読む本は作家本人のイメージが主人公にだぶって、落ち着かない。本人は極貧の生まれでもないし、もててはいるようだが俳優Sのような容貌でもないのだけれど、主人公の感性は彼のものであることがよくわかる。
ストーリーはある意味単純。それなりに予測できる展開。昔評論家のどなたかが「けれど抜群の表現力が魅力」と言っていたが、そうなのだろう。男性が言いたくても言えないロマンチックな言葉を小説の主人公は遠慮なく口にする。男性読者にファンが多いのもうなずける。
 
◆白川道は、はじめは「最も遠い銀河」ではなく、「斜光の午後」というタイトルを考え
ていたようだ。私にも「斜光の午後」の方がフィットするように思えたが、どちらがよかったか、簡単に言いきれない。
本の中で印象に残った人物は、李京愛。在日の女性が彼の作品にこういう形で登場するとは思っていなかったから少し驚いたが、素敵な女性だ。読んでいて唯一、もし映画化(ドラマ化)されるなら○○と具体的にキャスティングできた人だ。本当に映画化される日がきたら私の期待を裏切りませんようにー。
読むのも大変な長さの小説を書き上げただけでも尊敬に価する。Nくん、ごくろうさまでした。またみんなでおしゃべりしましょう。

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