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たちかぜ裁判


◆7月2日、私は横浜地裁に「たちかぜ裁判」の傍聴に行きました。

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【ごまめのつぶやきNo45】

原告:海上自衛隊護衛艦「たちかぜ」所属 一等海士Aさんの両親の裁判

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2004年10月27日、京急立会川駅構内で21歳の青年Aさんが電車に飛び込み自殺した。Aさんは海上自衛隊横須賀基地所属の一等海士だった。自殺の原因は自衛隊内部でのいじめだった。彼の上司、元二等海士S(35)は日ごろから若い隊員たちをエアガンなどで撃ちまくり、アダルトビデオを高額で買わせ、手製ナイフをちらつかせる恐怖の存在として知られていたという。「たちかぜ」という海の上の閉ざされた空間の中で恐怖は倍増されたことだろう。若い隊員にとってそれは耐え難いものであったに違いない。ちなみにBB弾というプラスティック弾はアルミ缶をも貫通するほどの威力があった。「たちかぜ」内でのこの常軌を逸した暴行・恐喝事件について、一部の幹部は知っていたにもかかわらずまともな対処をしてこなかったという。そのことがAさんの自殺を生んだことは否めない。
 Aさんの両親は1年の準備期間を経た今年(2006年)4月5日、いじめた上官Sとともに国の責任を問うために損害賠償を求める民事裁判を起こした。Sに関してはすでに刑事裁判で、暴行罪などにより懲役2年6ヶ月、執行猶予4年の有罪判決が確定している。 しかしこの刑事裁判では、すでに死亡したAさんは法廷で証言できないということで「被害者」にはなれなかった。刑は同じような被害を受けていたことを証言できた3人の隊員への罪を問われて言い渡されたものだった。このとき検事、裁判官はSに対してAさんの自殺の責任を追及したが本人は否定した。
 4月5日の第1回公判で父親は何度も言葉を詰まらせながら息子に詫び、自衛隊に対する失望を述べた。息子に自衛隊入りを勧めたのはほかならぬ父親だった。父親は駐屯地で目にした隊員のキビキビした態度に好感を持ったこと、カナダに語学留学をするほど英語好きだった息子が英語を使える機会を得られそうだと考えたことから自衛隊こそ息子にふさわしい職場だと思ったと語った。今は後悔の念でいっぱいだと語った。

 2001年1月、護衛艦「うみぎり」(横須賀)ではいじめを苦にした隊員(22)による放火事件が起きた。そして彼が逮捕された後も、第2、第3の放火事件が続いた。次々と起こる事件は多くの隊員が陰湿ないじめと激しい暴力を受けている実態を物語る。さらには潜水艦隊での一連の大麻吸引・栽培事件。自衛隊員個々の資質だけではない他の原因、私たちは自衛隊の構造的な問題を見逃すわけにはいかない。 1993年から2004年の10年間で自衛官の自殺者数は倍増した。2004年は94人にも及んでいる。イラクの復興支援に携わって帰国した自衛官のなかに多くの自殺者が出ているという話もある。「たちかぜ」裁判は始まったばかり。ぜひ注目してください。(2006.

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