マニラ湾資源調査
マニラ湾で、2日にわたって資源調査を行いました。
今回のマニラ湾沿岸資源再生プロジェクトには、アマモの保護と再生というのが入っています。
ワカメなどの海藻とアマモの違いは、今回の調査をお願いした専門家のMさんによれば、「きのこと草の違いと考えれば分かりやすい」とか。
胞子で増える海藻は、茎や花などが分化していないのに対して、アマモは花が咲き、種もできます。
このアマモの繁茂する藻場こそ、海の環境に大きく貢献している場で、エビやカニ、魚が産卵するところなのだそうです。
マングローブ林とともに、かつての藻場のほとんどが消えてしまったというマニラ湾。かつて生えていたところをもう一度再生し、今あるところを保護してさらに広げる、というのが今回の取り組みです。
同行していただいた専門家のお一人であるTさんは、横浜の野島付近でアマモの再生を進めてきた『金沢八景- 東京湾アマモ場再生会議』に関わってきた方で、横浜のNPO『海辺つくり研究会』の事務局長。
もう一人のMさんはその会員で、日本のアマモの第一人者、環境コンサルタント会社の研究員という肩書きを持つ方。
ビデオ片手に大きく環境を見て概要を検討するTさんと、カメラを持って細かくアマモの生育状況などを調べて回るMさんの、実にいいコンビは、調査を終えて海辺でビールを飲んでいるうちに、僕とほぼ同年代だということが分かり、意気投合しました。二人とも漁村滞在をとても楽しんでくれて、お願いした側としてもほっとしました。
それにしても、専門家の目の重要性を、今回は痛感しました。お二人の助言によって、目からウロコが何枚も落ちた感じです。
カビテ州の、かつてアマモがなくなってしまったかつての藻場では、どうすれば再生できるかが問題になっていたのですが、助言はシンプルでした。まず水を浄化することです。水が濁っていて太陽光が届かないために、光合成が必要なアマモが育たなかったのです。
しかし、漁師たちは「マニラの市街地から来る汚れた水なのでどうしようもない」と言います。僕もこれまで、そうした発言を信じていました。沿岸の水はかなり汚れているのですが、こればっかりは僕らのプロジェクトの中ではどうしようもない問題だ、と思っていたのです。
ところが、お二人は、その水の汚れはマニラからのものではない、と断言。沖合に潮目が出来ており、その向こうの水は透明度が高いのだから、これはすぐそこの川が影響しているだけだ、と。
なあああるほど。
土地の人間がすべてを分かっているわけではない、と悟った瞬間でした。
であるならば、川の浄化をすればいいだけのこと。川は基本的に地元のものだから、キャンペーン活動などによっていくらでも変えられるわけです。
こうした『目からウロコ』が、いくつもありました。