フィリピンの開発と貧困
フィリピンは今、急速に経済成長している。町を走る車はきれいだし、あちこちで新しい建物が建てられている。きれいな小型バイクがあちこち走り回っているのも、買える層が増えたことの証だろう。
でも、農漁村では、景気がいいという話は聞かない。相変わらず苦しい、ますます悪くなったという人たちばかりだ。貧困というのは相対的なものだから、上位層が好景気に沸いている今、貧困層はかえって苦しい気がするのだろうか。
・・・と思ったら、それだけではないようだ。実際に貧困である人々が増えているようなのだ。
2003年には1080万人だった十分な食料が得られない人が、2006年には1220万人に増えている。
教育関係では、 2001年には90.1%だった小学校入学率が、2005年には84.41%に下がってしまっている。小学校を卒業できるのは54.14%で、教育熱心な中産国であるはずのフィリピンで、人口の半分が小学校を出ていない("Missing Targets - An alternative MDG midterm report -",Social Watch Philippines 2007 report)。
このレポートでは、そうした数字がたくさん見いだされる。そして、同書によれば、商業資本の52.5%がフィリピンのトップ10ファミリーにコントロールされているのだという。
景気がいいのは、金持ちばかり。経済成長は、貧しい人を踏み台にして進んでいく、というのが世界のどこでも(日本でも)起きている現象なのだ。
じゃあ、どうすればいいのだろう?
根本的な構造を変える以外に道はない。その道とは?
地域主義、小規模開発、地産主義、循環的農業、人々の自治による政治、連帯経済、などなどなど・・・
可能性はある。というよりは、それ以外に可能性はない、と僕は思うのだけれど。