ミュージカル「ピピン」
娘とデート。
チケットがとってあったのに、出かける直前になって、あるべきところに見つからず(間違えて捨ててしまった可能性大)、当日券頼みでとにかく天王洲銀河劇場へ。S席のいわゆるボックス席が取れて、高かったけどいい席でした。娘は大喜び。まあいいか。
楽しんだけれど・・・なぜ「ピピン」?という疑問大。
72年のブロードウェイミュージカルだそうで、それの30年ぶりの上演だそうだ。確かに70年代っぽさが濃厚。
まず、若者の、生きる意味探し、というテーマ。
そして、自己言及性とアンチ・クライマックス性。
ちょうど一昨日書いたことに重なるのだけれど、当時、表現は行き詰まっていて、シニカルな批評性をその中に持たないと、表現として成り立たなかった。小説のヌーボーロマン然り、つかこうへい劇団の演劇然り。そうした含羞のまなざしが、この再演シナリオにも充満していて、今となってはそれがうるさい。表現の中での自己言及は、今では「オタク」のものいいの中にもっとも見られるもので、それをこんなミュージカルの中でやられてもねぇ。
それに、ローマ帝国の若者の苦悩を現代の若者と重ねるというテーマそのものも、まさに70年代だ。「ジーザス・クライスト・スーパースター」など、当時新鮮だったというのはよく分かるのだが、今となっては、歴史性を無視した現代への置き換えは、いつの時代でもどこの場所でも、人間はみな同じでしょ、という夜郎自大なアメリカ的傲慢さがつきまとって見える。
それでも、高校でダンス部に入り、文化祭で3つも4つも役割を引き受けている娘が喜んでいろいろ語ってくれるのを聞いているだけでうれしいし、なんといっても劇場に娘といける幸せったら、それで十分だけれど。生のパフォーマンスというのはいいしね。
でも、昼間炎天下を10キロ走ったあと行ったので、喉が渇いてしょうがなかった。
