なぜG8サミットに反対するのか?
僕自身は、そして草の根援助運動はかならずしも「反対」の立場には立っていない。草の根援助運動の参加している「G8サミットNGOフォーラム」は、この機会をとらえて人々の声をリーダーたちに届けよう、というスタンスで活動してきた。
では、テレビで「反対」を唱えてデモをしている(それだけではないが)人々は、なにを訴えているのか。我が家の高1の娘の疑問でもあったので、ちょっとだけ考えてみる。
1 根本的な問題として、G8は、組織として存在していない。
G8サミットに代表としてでてきているリーダーたちは、世界人口の15%の国々のリーダーであるにすぎず、世界の方向性を決めるなんらの権利ももっていない。しかもこのサミットというのは、事務局も持たず、なんの活動もしていない。人々の声を届ける手段がないのだ。
2 彼らこそが、新自由主義的グローバリゼーション推進の元凶である。
新自由主義というのは「本当は弱肉強食の旧自由主義」である、と言うのは佐高信だけれど(『貧困と愛国』毎日新聞社)、これが小さなイデオロギーだったときからここまでに育て上げてしまったのは、他ならぬG8のリーダー層だった。
この新自由主義がいかに世界の格差を拡大し、人々を苦しめてきたかは『新自由主義』(デヴィッド・ハーヴェイ0007、作品社)および『悪魔のサイクル』(内橋克人2006、文藝春秋)がよい文献だ。
3 サミットの公式声明は、ことごとく実行されていない。
僕が以前関わっていたジュビリー2000の主張は、かなりの部分、サミットが取り入れてきた。ところが現実的にはさまざまな手続きを立ててしまうので、ほとんど実行されていない。これについては草の根援助運動顧問の北沢洋子氏の一連の論文が詳しい。
(これらの主張を詳しく知るには、ATTACというグローバリゼーションに反対してきた組織による『徹底批判 G8サミット』(2008・作品社)がお勧め。)
サミット反対、を唱える世界の人々の声も、確かに大きい。僕たちはそれに十分耳を傾ける必要がある。
ゆめゆめ、「あの人たち、なんで反対するのか分からない」なんて言わないでください。