「開発」と「成長」
「開発」と「発展」は、英語ではともにdevelopment。日本語の語感では他動詞と自動詞の違いがあるし、語源的にもちがうのだけれど、だいたい同じと考えてもいい。
一方、「成長」growthはちがう、とハーマン・デイリーはいう。
デイリーは、成長は、物質の同化と融合による量的な増加、発展は質的な改善と潜在力の実現、としている。
デイリーによれば、「有限な環境から得られた物質の同化(吸収)ないし融合による経済規模の量的な拡大は持続可能ではない。質的な改善と潜在力の実現は永続する可能性がある」という(『持続可能な発展の経済学』ハーマン・デイリー2005、みすず書房)。
地球上の資源が有限だというとき、石油に代表される、閉鎖系である地球にあるエネルギー全体を指している。これの使用を加速させていくのが成長で、質的な変化を加えていくだけなのが開発ということだ。
一般的な経済学では、そのどちらも同じものとして扱っている。さらに、再生可能な自然資本に関しても、生産も消費も同じ分野で計算される。だから、木を植えることも切ることも同じGNPで計上されてしまう。
結論。
「開発」を考えるときには、第一に、その当事者性を検討する必要がある。
第二に、「成長」と「開発」は分けて考えなければならない。
第三に、公正な分配をつねに考えるべきだ。