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NGOのするべきこと

 開発援助を行うプレイヤーの中で、NGOの経済規模は驚くほど小さい。

草の根援助運動は、多い年で三千万円、昨年は一千万円ちょっと。数千億円規模のODAなどと比べたら、アリほどの大きさもない。しかも日本では、億単位の活動資金を持っているNGOさえ、数十しかない。

 昨晩のNHK・BSのディベート番組(フリーダさんも出演していた)の中で、アフリカのNGOメンバーの一人(だったか)が、「貧困の海の中の幸せな島」というような比喩を使っていた。支援により幸せな島になる一部の地区や人々が、何年かの支援期間が終わるとまた貧困の海に飲み込まれていく、というもので、実によくわかる喩えだった。

 草の根援助運動のような小さな組織にできることは、とても小さい。そして、その小さな幸せの島は、すぐに貧困の海に飲み込まれる。なんとかして継続的なものにしようと、現地NGOと僕らとは工夫して進めるのだけれど、海の巨大さに対して島はあまりにも小さい。

では、どうすればいいのか。
 方向性として、二つが考えられる。

 ひとつは、貧困の海全体を豊かな海へと変えていくこと。
 もうひとつは、小さな幸せな島をたくさんつくっていくこと。

 貧困の海を豊かな海にするには、高い幸せな島を築き、そこからまわりの海に、栄養分を落としていけばよい。それが世界の「先進国」共通の伝統的価値観だ。しかし、海はいつまでも海であり続ける。たとえ以前ほど貧困でなくなったとしても、中央の高い山を囲む比較的貧しい海であるという事実はいつまでも変わらない。

 小さな幸せな島をいくつもつくっていくこと。これがNGOが目指していく支援だ。しかも、荒波に飲み込まれない工夫を住民自らがして、対抗していける島をつくること。

 社会的インフラの整備や緊急支援、大規模な健康や教育のシステムづくりなど、ODAがなければできないことはたくさんある。一方NGOにしかできないこともたくさんある。

 TICADで福田政権はアフリカ支援ODAの倍増を明言した。それは悪いことではないが、高い島にばかり気をとられる支援になるならば、問題はかえって大きくなる。それはすでに、スーダンでも、南アフリカでも、つい最近のケニアでも、実証されていることだ。

 ODAのゆくえをきちんと見守ること。それもNGOの大きな役割だ。

 開発の質と、価値観に対する発言。小さな規模のNGOが、大きな力を持つこともある。

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