井戸掘りプロジェクト
フィリピン・カビテ州のサンタメルセデス村は、僕が大好きな村です。
道路のアクセスが難しいので船で行くしかないという、ほとんど離れ島状態のこの村は、環境破壊が進むマニラ湾に面したコミュニティの中ではもっとも自然が残っているところ。ほぼ毎年のように訪れて漁師の家に泊めてもらい、地引網や漁を手伝ったり、海上パトロールに同行したり、日がなボートをつくる船大工の仕事を眺めたり、子どもたちと遊んだりという無上の時間を過ごさせてもらいます。
暑さ好きの僕にとってはまさに天国です。僕の研究フィールドでもあって、修士論文の中でも大きな位置を占める題材になりました。
草の根援助運動は10年前、ここで井戸の設置を支援しました。横浜のアマチュアバンドのコンサートの収益金をいただき、地域の人々を集めて組織作りをして、最後は手動ポンプの立派な共用井戸ができました。井戸を管理するための井戸管理チームも活動を続けて、最近まで人々に大いに利用されていました(写真は2003年のもの)。
しかし、海沿いのコミュニティでは、井戸に塩水が入るのはほとんど宿命のようなもの。徐々に塩分が上がり、今ではついに、ただの海水井戸に。役に立たなくなり、新しい井戸の設置が望まれていました。
昨年夏のスタディツアー参加者Mさんは、横須賀水道労働組合の役員。なんとかしたいと申し出てくださり、年末にそれぞれの支部でカンパに取り組んでくれました。その結果16万円あまりが集まり、ついに新しい井戸が造れるようになりました。
井戸は単に掘るだけではだめ。自分たち自身で面倒が見られるように、このところ不活発になっている住民組織を立て直すプログラムも組み込みます。
現在現地は風が強く、現地担当者も村までなかなか行けない状態。風が収まる3月中旬、草の根援助運動スタッフの古澤さんが訪問するのを待ってプロジェクトを詰めることになっています。
しばらくしたら、また、井戸の回りで談笑する人々の姿が見られるようになるでしょう。