さまざまなところで出会う若者たちの傾向。今の若者たち、と一括できないことは承知の上で、自分が若者だった頃と比べてみると・・・
1 地元志向・友人志向
地元が大好きだ。1マイル族と呼ばれるそうだけれど、自分の家とそのまわり、友人たちと一緒に遊ぶことが大好き。大きな町へ行きたい、という志向があまりない。
2 多様な意匠
サザンオールスターズの「ミス・ブランニュー・ディ」に、次のような歌詞がある。
ミス・ブランニュー・ディ
みなおなじそぶり
ミス・ブランニュー・ディ
誰かと似たみなり
1984年の若者たちの姿を歌っているのだが、この歌詞は今の若者にはあまりあてはまらない。これが今のミス・ブランニュー・ディ、という姿が決められないのが今だ。
ファッションも、嗜好も、少なくともそのパターンははるかに細分化されている。
3 非高級品志向・シンプル志向
ユニクロがヒットしたあたりから明らかになってきた。リーズナブルな買い物が自然。
4 素直な表現
小説でも歌詞でも演劇でも、ひとひねりもふたひねりもしないと恥ずかしくていられなかった・・・という時代は終わったらしい。なんともストレートで素直な表現であふれている。
これは、「いきものがかり」の『帰りたくなったよ』の歌詞。
帰りたくなったよ 君が待つ町へ
かけがいのないその手に今 もう一度伝えたいから
帰りたくなったよ 君が待つ家に
聞いて欲しい話があるよ 笑ってくれたらうれしいな
ものすごく素直な、地元志向・友人志向・家志向の歌だ。井上陽水の「傘がない」がある種のシニカルな感性として受け取られたのと比べるとよく分かる。
5 優しい社会性
優しさというのは、身近な人にのみ発揮される、とよく言われたものだ。それが大きく外に広がっているように思われる。
端的に、ボランティア的な活動や環境に対する活動をしようとする若者が増えている。秋葉原の事件のときに、被害者を助けようと手を差し伸べた若者たちをみよ。
で、こんな話を七十近い叔父にすると、「今の若者は夢がない」と言う。「あれがほしいというものがないし、上昇志向がない。かわいそうだ。」
それがきっと、日本の高度成長期を支えてきた価値観だった。さらに言えば、近代主義を支えている価値観でもある。
そうではなく、地域で、シンプルに、身近な幸せで生きていくこと。開発を考えていると行き着く、持続可能な価値観が、いつのまにか若者たちのライフスタイルに反映されている、僕などはそういう感動を持ってしまう。オトナが説いて聞かせたり、キャンペーンをはったりすることとは多分関係なく、新しい価値観ができてきているのだ。
未来は明るい。若い人たちを見ていると、僕はいつだって、そう思う。